農繁期


上空から近代的な港湾とハイウェイの立体交差が見えた。
空港の建物は、こぢんまりした平屋で、正面に盆栽が置いてあるのには驚いた。
空港からクイニョン市内のホテルまで、はじめて見るベトナムの田園風景を楽しむ。
ベトナムは今、農繁期。
ある畑では黍の刈り入れが行われ、水田では水を入れて人と牛が代掻きをしている。
農村の民家は、「瓦屋根+土壁」が多く、まれに「草屋根+土壁」がある。
瓦屋根民家は切妻屋根で、平入り側に一つの出入口と一つの窓があり、
カギ形に張り出しをつくっている。

ともかくうまかった


生の春巻、パイナップルにエビの揚げ物や揚げ春巻きをさしたセット、
炮放川鍋にラーメンのようなベトナム独特の細うどんなどが次々と並び、
それぞれを魚醤や味噌で味付けして食べる。

レストランのビールは一本約四〇〇円。
ベトナムの物価とすればとんでもない値段なんだろうなと思いながらも、
ともかくうまかった。

三月二四日朝、ホーチミン空港を離陸し、
二時間ほどでホーチミン市の東北四五〇キロにある海岸の街クイニョン空港に着陸。

きわめてのんびり


家を建てる際、輸入住宅という選択がある。
主に伝統ある北米の住宅様式で、国際水準の住まいということだ。
個人的には壮大な感じを受ける。

ベトナムに古住宅を見に行った時の話だ。
空港での入国手続きと通関は共産圏の国としては簡単で、きわめてのんびりと進む。
フライト・アテンダントや空港勤務の女性が身につける白・青・ピンクの
アオザイの裾がヒラヒラと風にゆれて美しい。

市内にはフランス植民地時代の建物がよく残っており、
宿泊先のコンチネンタル・ホテルもその一つ。

コーヒーの入れ方は一〇〇年前の古瓜なフランス流と聞き、早速中庭で楽しむ。
夜は、中国風のレストランで食事。料理もあっさりした中華風。